灰汁(あく)とは?成分や取る理由や正しい取り方や注意点を解説!
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料理を作るときに肉や野菜から出る灰汁(以下、あく)をきちんと取っておくと、えぐ味や苦みを減らせるので、味がワンランクアップします。
「あくはどんな成分なの?」「あくを取らないと体に悪いの?」など、あくについて意外と知らないことが多いかもしれません。
そこでこの記事では、あくの種類や成分、取る理由、効果的な取り方を詳しく紹介します。
あくについて正しく理解したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
灰汁(あく)とは?
あくとは、食材に含まれる苦味やえぐ味、渋味などの総称を指します。
あくが残っていると料理の味が落ち、見映えも悪くなります。中には、体に悪いとされている成分が含まれている場合もあるので注意が必要です。
面倒に感じる方もいるかもしれませんが、あくはなるべく取り除きましょう。
また、あくは「動物性」「植物性」の2種類に分けられます。あくの種類や成分については、次の章で解説していきます。
灰汁(あく)の種類や成分は?
あくには、以下の2つの種類があります。
- 動物性のあく
- 植物性のあく
動物性、植物性の種類によって成分やあくの取り方も変わってきます。それぞれ解説していきます。
動物性のあく
動物性のあくの概要は、以下の通りです。
動物性のあくの概要 | |
主成分 | 脂質、タンパク質 |
あくの取り方 | 調理工程の中で肉や魚を煮込み、浮き上がってきたあくをおたまなどですくって取り除く |
肉や魚を煮たときに白く固まって浮かび上がってきたり、茶色に濁ったりするものは、動物性のあくです。
動物性のあくは脂質やタンパク質が熱で変化して固まったものです。動物性のあくがあると、くさ味があったり、舌触りを悪くしたりと食べたときに不快さを感じることもあります。動物性のあくによる雑味をなくすためには、しっかりと取り除いておきましょう。
また、鰹節でだしを取る際にも、動物性のあくが出ます。鰹節を入れてひと煮立ちしたときにあくを取っておくと、くさ味のない風味豊かなだしが取れます。もしくは、後の章で紹介する商品を使えば、鰹節のあくを取る必要はありません。
植物性のあく
植物性のあくの概要は、以下の通りです。
植物性のあくの概要 | |
成分 | ホモゲンチジン酸、シュウ酸、アルカロイド、ポリフェノールなど |
あくの取り方 | 下ゆでや水にさらすなど |
野菜や山菜などには植物性のあくが含まれています。あくを取らなかった場合、味が損なわれたり、変色するなど見た目にも影響がでてきます。
植物性のあくとなる成分は、植物が外敵から食べられるのを防ぐ役目があるという説があります。
灰汁(あく)を取る理由
あくを取る理由は、以下の3つがあります。
- 体に悪いとされる成分を取り除くため
- 料理の味や風味を守るため
- 料理の見た目を守るため
あくを取る理由を知って、使う食材や料理に合わせて対応できるようにしましょう。
体に悪いとされる成分を取り除くため
体に悪いとされる成分を取り除く目的があります。
野菜や山菜のあくには、体に悪影響のあるとされる成分が含まれています。
たとえば、ほうれん草にはシュウ酸が含まれており、大量摂取すると結石になってしまう恐れがあるとされているのです。ほかにも、たけのこやさつまいもにもシュウ酸が含まれています。
ふきやふきのとう、わらびなどの山菜にはピロリジジンアルカロイド類やプタキロサイドなど毒性のある成分が入っているため、あく抜きしてから調理しましょう。
料理の味や風味を守るため
料理の味や風味を守るのも理由の一つです。
あくは口の中に残る後味や舌触りの悪さにつながるため、丁寧に取っておくことで料理の質をグッと高められます。
ただし、あくが食材の持つ独特な味わいやコクになることもあるため、料理の味を確認しながら調整してみるとよいでしょう。
料理の見た目を守るため
あくが残っていると料理の味や風味だけではなく、見た目も損ねてしまいます。
たとえば、煮物や鍋物の場合、あくが残っていると料理を取り分けるときに器に入ってしまったり、だしが濁ってしまったりと料理の見映えが悪くなります。味は申し分なくても、見た目が悪いと料理の満足度を落としかねません。
手間暇かけて作った料理は、味と合わせて見た目にもこだわりたいものです。見た目でも料理を楽しむためにも、面倒でもあくは取っておきましょう。
灰汁(あく)を取る必要がある野菜・ない野菜
料理の風味を損なってしまったり、見映えを悪くしてしまったりするので、基本的にあくは取っておいた方が良いものです。しかし、あくを取る必要がない野菜もあります。
あくを取る必要がある野菜と、必要がない野菜を紹介します。
灰汁(あく)を取る必要がある野菜
あくを取る必要がある野菜は、以下の通りです。
灰汁(あく)を取る必要がある野菜 | ||
野菜名 | あくの原因となる成分 | あくの取り方 |
ほうれん草 | シュウ酸 | 茹でる |
たけのこ | シュウ酸、ホモゲンチジン酸 | 米ぬかと唐辛子で下茹でする |
大根 | シュウ酸、ポリフェノール類(クロロゲン酸) | 米のとぎ汁で茹でる |
さつまいも | ヤラピン、ポリフェノール類(クロロゲン酸) | 水にさらす |
ごぼう | ポリフェノール類(クロロゲン酸) | 水にさらす、酢水にさらす |
なす | ポリフェノール類(クロロゲン酸) | 水にさらす |
れんこん | ポリフェノール類(タンニン) | 水にさらす、酢水にさらす |
ふき | ピロリジジンアルカロイド類 | 板ずり後に茹でる |
ふきのとう | ピロリジジンアルカロイド類 | 塩を入れて茹で、冷やしてから水にさらす |
わらび | プタキロサイド | 重曹を入れたお湯に一晩さらす |
先ほどもお伝えした通り、ほうれん草やたけのこなどに含まれるシュウ酸は、結石の原因になるとされているため、茹でるなどして下ごしらえしてから食べましょう。
一方で、ごぼうやなすなどに含まれるポリフェノール類は、切って空気に触れると変色してしまうため、水にさらすなどして酸化を防ぎます。ただし、ポリフェノール類には抗酸化作用が期待できる成分も含まれているため、水にさらしすぎてしまうと栄養素も流れて出てしまいます。水にさらす時間には注意しましょう。
上記でもお伝えしたように、ふきやふきのとう、わらびなどは天然毒があるため、あく抜きが必要です。山菜を使って調理するときは、食材に合ったあく抜きをしましょう。
灰汁(あく)を取る必要がない野菜
野菜の中には、あくを取る必要がない野菜もあります。たとえば、以下の野菜はあく抜きが不要です。
- レタス
- キャベツ
- 水菜
- 白菜
- 玉ねぎ
- 小松菜
レタスやキャベツ、水菜などサラダに使う野菜は、あく抜きをせずに食べられます。また、玉ねぎを煮込んだときにはあくが出てきますが、玉ねぎのあくには甘みがあり料理にコクを出すため、取らないようにしましょう。
ほうれん草と見た目が似ている小松菜ですが、シュウ酸の量が少ないため、あく抜きの必要がありません。
このように、すべての野菜にあくが含まれるわけではないということは覚えておきましょう。
灰汁(あく)の効果的な取り方
あくを取るほうがいいことは分かるものの、食材によってどのようにあくを取れば良いのか分からないということもあるかもしれません。
野菜と肉を植物性と動物性に分けて、あくの効果的な取り方を詳しく解説します。
植物性のあくの取り方
植物性のあくは、野菜や山菜など使う食材によって取り方が変わってきます。たとえば、以下の方法を使います。
- 水にさらす
- 酢水にさらす
- 塩をなじませて板ずり
- 茹でる
- 塩、米ぬか、米のとぎ汁、重曹等を使う
あくの取り方を1つずつ説明していきましょう。
水にさらす
野菜のあくをかんたんに取れるのが、水にさらす方法です。植物性のあくは、ほとんど水溶性なので水を使うと効果的に取れます。
野菜の皮をむいてから、水をはったボウルに入れてさらします。野菜にもよりますが、5分ほどさらすとよいでしょう。ただし、ごぼうは3分ほど水にさらすだけであくが取れます。
水にさらす方法が最適なのは、なす、じゃがいも、さつまいも、ごぼう、れんこんなどが挙げられます。
酢水にさらす
野菜を切った後の変色を抑えて、きれいな色を保ちたいときは、酢水にさらす方法を活用しましょう。
酢水にさらしてあくを取る方法は、1リットルの水に対して酢大さじ1程度入れた酢水を用意し、皮を取った野菜を入れてさらすだけです。野菜によりさらす時間が変わりますが、1分~3分ほどさらしてから水洗いしましょう。
れんこんやごぼうなどの野菜は、酢水にさらす方法が向いています。
塩をなじませて板ずり
食材に塩を振ってなじませてから、まな板の上で転がして板ずりする方法もあります。塩で酸化を防ぐため食材の色が鮮やかになるうえ、野菜の突起や産毛などの処理もできて表面がなめらかになります。
野菜の青臭さを取っておきたいときに最適です。
塩をなじませて板ずりする方法が向いている食材は、おくらやきゅうり、ふきなどが挙げられます。
茹でる
植物性のあくはほとんどが水溶性なので、食材を茹でる方法も効果的です。塩をひとつまみ入れた水を沸騰させて、食材を茹でます。茹でた食材を冷水にさらすと色止めできるので、食材が色鮮やかになります。
この方法に向いている食材は、ほうれん草です。
塩、米ぬか、米のとぎ汁、重曹などを使う
野菜や山菜の中には、塩や米ぬか、米のとぎ汁、重曹を使ってあくを取るものもあります。たとえば、以下の方法で野菜や山菜を下ごしらえします。
- 塩を入れて茹で、冷やしてから水にさらす:ふきのとう
- 米ぬかと唐辛子で茹でる:たけのこ
- 米のとぎ汁で茹でる:大根
- 重曹を入れてお湯に一晩さらす:わらび、ぜんまい
とくに山菜はえぐ味などあくが強かったり、天然毒を含んでいたりするので適切に下処理してから調理しましょう。
動物性のあくの取り方
肉や魚などを鍋で煮込んでいるときに出てくる動物性のあくは、おたまなどですくって取りましょう。
動物性のあくを上手く取るコツは、一度強火で沸騰させてあくを浮かび上がらせてからすくうことです。沸騰したままでは、あくがばらけてしまうので、火を弱めてからすくいましょう。
おたまですくう以外に、キッチンペーパーやアルミホイルで落とし蓋をして取ることもできます。次章で詳しく説明します。
灰汁(あく)を取るのに役立つ道具
あく取りはおたまを使って取る方法を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、調理工程や料理などにあわせて、さまざまな道具を使ってあくを取ることができます。
あくを取るときに役立つ道具を4つ紹介します。
- キッチンペーパー
- メッシュ型のおたま
- アルミホイル
- あく取りブラシ
それぞれ解説していきます。
キッチンペーパー
あく取りは家にあるキッチングッズで取ることも可能です。肉や野菜を煮込んだときに出てくるあくを取るときは、厚手のキッチンペーパーを使いましょう。
まずはキッチンペーパーを鍋の大きさに切っておきます。あくが出てきた煮汁などの上に、切っておいたキッチンペーパーをかぶせ、持ち上げるとキッチンペーパーにあくがくっつきます。一度できれいに取れない場合は、新しいキッチンペーパーを用意して繰り返してみましょう。
キッチンペーパーを使うとあく取りのほかに、落とし蓋の代用にもなります。
メッシュ型のおたま
カレーや煮物、鍋などのあくを取りたいときに便利なのが、メッシュ型のおたまです。通常のおたまでは、あくのほかにうま味が詰まっただしもすくってしまう恐れがあります。
メッシュ型のおたまを使えば、だしを残して、あくだけをきれいにすくえるので便利です。あく取りの途中で汚れてしまったら、水をはったボウルにくぐらせたり、水で洗ったりして汚れを落としましょう。
アルミホイル
キッチンペーパーが無いときや、落とし蓋をしながらあくを取りたいときは、アルミホイルを使いましょう。キッチンペーパーと同じように、煮物や鍋などのあくを取りたいときに最適です。
鍋より少し大きい形のアルミホイルを準備して、軽く丸めて凹凸を作ります。あくが出てきた煮汁にかぶせて、箸などで持ち上げるとあくがアルミホイルに付き、取ることが可能です。一気にたくさんのあくを取ることは難しいですが、アルミホイルは洗えば複数回は使えます。
また、アルミホイルは落とし蓋としても役立ちますよ。
あく取りブラシ
「煮汁やだしを減らしたくない」「鍋のフチのあくもきれいに取りたい」という方は、あく取りブラシを使いましょう。あく取りブラシは、ブラシでなでるだけであくが取れる便利なキッチンアイテムです。
洗えば繰り返し使うことができるので、環境にも優しいのがポイントです。具材の煮崩れや煮汁を減らしたくないときには、あく取りブラシを活用しましょう。100円ショップでも手に入ります。
おいしいだしを取るなら鰹節専門店の商品がおすすめ
料理を作るときに、味を大きく左右するのがだしです。鰹節でだしを取る方も多いでしょう。
しかし、鰹節をお湯に入れてだしを取る際にもあくが出てしまうため、風味豊かなだしにするには、あくはしっかりと取っておく必要があります。とはいえ料理の度にだしを取るのは、なかなか手間がかかってしまうものです。
あく抜きいらずで、おいしいだしを手軽に楽しみたいときには、以下の商品を活用しましょう。
- だしポット
- だしパック
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時短で本格的なだしを取りたい方には、「本枯鰹節 薫る味だし(かつお)8g×20袋入」がおすすめです。
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お鍋にだしパックを入れるだけで、素材の味を引き立て、いつもの料理をワンランクアップしてくれます。
まとめ:料理のあくを上手に取り除いてワンランク上の味にしましょう
食材を煮込むときや、下ごしらえなどであくをしっかり取っておくと、料理の味や風味を守り、見た目も損なわずに済みます。
あくを取ることで、体に悪影響を与える恐れがある成分を取り除くことも可能です。料理のあくを上手に取り除いてよりおいしい味を目指しましょう。
毎日の料理を手軽にワンランクアップさせたい方には、手軽に本格的なだしがだしポットや、だしパックを取り入れることがおすすめです。
「だしポット・削りぶし4袋セット」を使えば、電子レンジでチンするだけで本格的なだしをいつでも楽しめます。
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忙しい朝などスピーディーに本格的なだしを取りたい方は、「本枯鰹節 薫る味だし(かつお)8g×20袋入」を活用しましょう。
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沸騰したお湯の中にだしパックを入れて煮出せば、いつでも削りたての鰹節の風味が楽しめます。
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