春を代表する食材の筍!旬の筍をおいしく煮るコツ
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筍とだしはとっても相性が良い!
食べ慣れた味というのは記憶に深く根付き、なかなか忘れられるものではありません。いくら洋食や中華料理の魅力にとりつかれても、何日も和食を食べていなければなんとなく落ち着かない状態になるかもしれません。一旦和食から離れてみると、どれだけ和食が自分の生活に根付いたものだったかということに気付かされるはずです。
日本のだしは、外国のだしに比べると短時間で作ることができます。例えば、昆布だしなら約1時間、かつおだしなら数分で完成です。一方、外国のだしは牛や鶏の骨を長時間煮込み、濃厚なだしを抽出します。
外国のだしは複雑な味覚成分を全て取り出すことで強い味に仕上がります。それに比べて日本のだしは、えぐみなどの余分な味がなく、旨味成分だけを抽出したすっきりとした味となっています。
このすっきりとした味わいのだしは、素材の風味や季節感を邪魔せず、味の引き立て役として活躍してくれます。日本の料理は素材の旨味を大切にし、だしが主張しすぎないという控えめな部分も魅力の一つです。味付けやソースに重きを置いた外国の料理も十分魅力的なのですが、料理やだしに対する考え方の違いによって国柄の違いを感じられるというのは非常に面白いですね。
・筍の下処理法
筍というと、筍ご飯や煮物料理に使われることが多いですが、炒めたりサラダにしたりと実際にはどんな料理にも使うことができます。筍は存在感があり、料理を華やかに飾ってくれるので、おもてなし料理やお祝いの席でも欠かせません。
筍の下処理は米ぬかと一緒に鍋で煮て、その後洗浄の意味も含めてさらにお湯で茹でます。さらにこの後、どんな料理に使う場合でも必ずだしで煮るという作業が必要です。全体の2割ほどの酒、濃いめの合わせだし、塩を合わせて筍を茹でることで色を付けずに旨味を加えられます。筍自体に旨味成分が含まれるので、この状態の筍を食べても美味しいおかずになるでしょう。
筍と酒は相性がよく、ふわっと感じる酒の香りが筍の美味しさをより一層引き立ててくれます。この茹でた筍を使って上品な一品を作りたいときは、木の芽和えがオススメです。だしと酒を入れた筍に醤油を落として更に煮て、味噌、みりん、卵黄で作った練り味噌と、木の芽をみじん切りにしたものを山椒で和えれば「筍の木の芽和え」が完成です。たった一品の副菜を作るだけですが、手間暇かけて一から作った料理は美味しく感じられることでしょう。
鰹節がポイント!美味しい「土佐煮」を作るコツ
筍の土佐煮に使用する材料
・下処理を済ませた筍 200g
・水 1カップ
・粉末だし 小さじ1
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1
・砂糖 大さじ1/2
・薄口醤油 大さじ1
・鰹節 10g
作り方
1.筍は一口大に切って、調味料、水と一緒に鍋で沸かします。
2.沸騰したら弱火にして、煮汁が少し残るくらいまで煮ます。
3.火を止めてから鰹節を加えて絡めます。
筍の下処理は、先ほど説明した①米ぬかと一緒に茹でる②米ぬかを取り除くために水で茹でる③だし、塩、酒と一緒に茹でるという順で行います。筍自体にだしの味が染み込んでいるので、土佐煮を作るときは長時間煮込む必要はありません。
仕上げの鰹節は10gとなっていますが、たっぷり使っても美味しいのでお好みで追加してください。また彩りや味にハリを出すために、木の芽を飾ってもよいでしょう。先ほどの木の芽あえにもあったように、筍と木の芽は相性抜群ですよ。
また、土佐煮を作るときに使う醤油は薄口醤油がオススメです。薄口醤油は濃い口醤油よりも色が薄いので、素材の色をしっかりと活かしたいときに役立ちます。土佐煮以外の料理でも活用できるので、ぜひ家庭に常備してみてはいかがでしょうか。
シャキシャキの筍のうまみをUPさせるカギは「鰹節」にあり!
執筆監修者:片村優美
大学卒業後、管理栄養士免許取得。
2つの病院に勤務し、糖尿病や高血圧、腎臓病などの様々な疾患で悩まれる患者様に対して栄養指導などを行ってきました。
現在は、レシピ開発や健康・ダイエットに関するコラム執筆などのお仕事を行っています。