ナチュラル派のあなたにも!鰹節ではじめるスローフード
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手作りだしもOK!スローフードってどんなもの?
スローフードの発祥は、北イタリアの食文化雑誌の編集者であるカルロ・ペトリーニ氏とその仲間たちです。カルロ氏はその後スローフード協会を設立し、現在では世界で45カ国に支部が広がっています。日本の支部であるスローフードジャパンは2004年に設立されました。
スローフードはイタリアの発祥ですが、イタリア料理=スローフードというわけではありません。日本でも、地域特有の食材を用いて作られた郷土料理などはスローフードと呼ぶことができます。スローフードとは地産地消、健康、環境保全など、さまざまな意味を含んでいるのです。
手作りのだしは、「おいしい・きれい・ただしい」をスローガンとしているスローフードに当てはまるのではないでしょうか。特に、歴史や伝統を感じながら楽しく味わうという部分は、鰹節だしの持つ意味合いとマッチしているといえるでしょう。
色々なだしの種類があります
鰹節だし
鰹節から作る和風だしです。濁りのないだしをとることができ、料理が上品に仕上げられます。芳醇な香りと味を持ち、お吸い物や味噌汁、茶碗蒸しなどにぴったりです。鰹節だしには大きく分けて一番だしと二番だしがあります。
昆布だし
具材の香りや味を活かす料理に適している上品で控えめなうま味のだしです。クセが少なく口当たりが上品なので、精進料理のようなシンプルな料理にもよく使用されます。水だしでじっくりと時間をかけて抽出した昆布だしは、すまし汁や酢の物に使われることも多いです。鰹節と合わせた「合わせだし」は和食の定番です。
いりこだし
魚の強いうま味を感じることができるのがいりこだしです。頭や内臓はえぐみの原因になるので取り除いて使用します。身を割ることでうま味が出やすくなるので、手間をかけてでも下処理はしっかり行いましょう。いりこだしは特に味噌と相性がよいので、味噌汁での使用がおすすめです。
椎茸だし
干し椎茸を戻したときに抽出されるうま味を利用しただしです。椎茸に含まれるうま味成分はグアニル酸といいます。昆布から出るうま味成分と合わせると、相乗効果でだし汁が何倍にもおいしくなりますよ。干し椎茸には、傘が開いた香信と肉厚のどんこがあります。だしをとるのに適しているのは香信ですので、用途に合ったものを選ぶようにしましょう。
その他にも、九州地方で広く使われるトビウオのあごだし、北海道で使われている鮭節だしなど地方特有の文化が感じられるだしも多くあります。だしは非常に奥が深く、日本食の文化や歴史には欠かせない特別な存在といえます。地域特有のだしがある場合は、ぜひ自分の地域でとれる身近なだしを使ってみましょう。
鰹節をとり入れたスローフード
鰹節は、便利で楽な食生活を見直すよいきっかけとなります。欲をいえば鰹節を削り器で削ることからおすすめしたいのですが、忙しく毎日を過ごすなかで、そのような時間を確保するのは難しいかもしれません。毎日とはいかなくても、週末に料理と向き合う時間を作り、家族と一緒に食卓を囲んで幸せな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
スローフードを始めてみたいという人におすすめなのが、粉鰹ともよばれる鰹節の粉末です。鰹節の粉末は品が良くはっきりとした旨味を出せるというメリットがあります。だしとして使ったり、煮物に入れたりというのが定番ですが、おにぎりにまぶす、和え物に入れるといったすりごまのような使い方もできますよ。
鰹節の粉末は、フードプロセッサーを使って家庭でも作ることができます。作り方はとても簡単で、鰹節のソフト削りをフードプロッセサーに入れて攪拌するだけです。しっかりと旨味を感じられるだしを使えば、他の調味料の使用量も減り、減塩にもつながります。
スローフード生活を始めるなら鰹節から
大学卒業後、管理栄養士免許取得。
2つの病院に勤務し、糖尿病や高血圧、腎臓病などの様々な疾患で悩まれる患者様に対して栄養指導などを行ってきました。
現在は、レシピ開発や健康・ダイエットに関するコラム執筆などのお仕事を行っています。